簡単にドレスコード(服を装うルール)をまとめます。
あくまでも本来のルール、ということなのでこの限りではありませんが、基本を知っておいて外すのがファッションなので念のため年頭に入れておいて、ご損はないかと思われる程度に。
日の出ている時間
フロックコートやモーニングコート
夕暮れ以降
タキシードや燕尾服
このようなカテゴリーに分けることができます。
そもそも、西洋には、着替える、という発想があります。
感覚でいえば、日中スーツを着用していたビジネスマンが、夕刻の結婚式に出席するために、着替えてお祝いの気持ちを表すわけです。
(変な服装などできない、という想い、服が好き、ということもあるのですが)
またタキシードの衿の拝絹というシルクも、夕暮れや夜のデザインを象徴しているといえます。(蝋燭の光がメインの夜、少しでも美しく見せたい想い?)
このように考えていくと、タキシードは新郎として夜のタキシードを朝や昼に着たい!ですとか、
親族や友人のみのパーティーだから着たい服を着よう、という方ももちろんいらっしゃいますし、午前だけれどもタキシードを、と制作させていただいた事例もあります。
イルフィーロでは、新郎だからタキシードを着なければ、という一括りに考えず、何時の式だからこの服を着よう、というようなフォーマルの考えを知っておいて、基本を知って外すのは素敵なことだと考えています。
タキシード、モーニング、燕尾服、フロックコートなどをご紹介してきましたが、この中で、モーニングや燕尾服は現代では着用する文化が少なくなりました。
モーニングは、日本であれば校長先生、内閣の組閣などの際に目にすることがある、公式な礼装です。
日本では新郎・新婦のお父さんがモーニングコートを着用するイメージで、日本フォーマル協会の定める正礼装とされ、フォーマル度は高いですが、厳密に着用しようとすれば、グレーのベストとモーニングタイが必要になり、このまま着ると少々野暮ったい印象ではないでしょうか?
また、燕尾服は、イルフィーロでもバイオリン奏者の方に制作することはあるのですが、公式な礼装ではあるものの、新郎のスタイルとして制作することは少ないのが現状です。
衿はピークドラペル、
横から見た写真がこちらです。
こちらが燕尾服。
燕(つばめ)の尾という言葉の通りのディテールで、英語ではテイルコートとなり、夕暮れからの正装です。
ちなみに明治時代の日本では、午前や日中の式典ではフロックコート、夕刻以降の夜会などでは燕尾服が指定されているケースがあり、現代でも《ホワイトタイ》とドレスコードにあれば、燕尾服着用ということになります。
一般に売られている、またはレンタルする新郎のタキシードというと、フロックコートタイプと、タキシードタイプです。そこからデザイン重視のタキシード、カジュアルなテイストのタキシードがファッション、という概念で出ています。
イルフィーロでフロックコートをオーダーする場合は、
後で丈をカットして、ボタンなどをリメイクすればオーダースーツとして活用できるような設計もあり、人気のタイプの一つです。
例えば午前の挙式や日中の挙式で、フロックコートを着用。
夕暮れ時にはボウタイ(蝶ネクタイ)などにチェンジして二次会スタイルにする、
挙式やパーティで使用したら、後日スーツにする、ということも可能です。
またタキシードというと、なかなか日本では一般的には着ないイメージがありますが、
今後結婚式に参列する、二次会やパーティなどで着る、
これは非常に素敵なことで、むしろホスト側としてもその装いを歓迎することと思いますので、私たちもオススメしています。
ただし、国際ルール上は18時以降に着用するという文化があるため、
今後は、夜のパーティなどで着用するのが本来にはなります。
とはいえどのようにお祝いの気持ちを表現するか?ということも大切です。
例えば午後から着用して、その結婚式やパーティが夜に差し掛かる、
などといった場合は日中でもタキシードを着用して良いと考えます。
またボトムを少しカジュアルにして、クリスマスディナーなどで
タキシードのジャケットだけを活用するのも一つです。
タキシードスタイルの紳士が日本の街に増えると素敵ですね。
ここまでご紹介していた、厳密なタキシードにこだわらず、
自分たちらしい挙式をしよう、と考えたときに、 型にはまりすぎずに、かつタキシードの雰囲気を取り入れたスタイルとして、内側のベストや小物でさり気なく遊びを加えるのはいかがでしょう?
または素材感で遊ぶのも一つです。
ガーデンウエディングやビーチリゾートで、ハワイや沖縄などのリゾートウエディングなら、教会の挙式はタキシードスタイル、さらにフォトツアーは白いパンツでベストスタイルにチェンジして、ボウタイもチェンジして色々なお写真を残すなど、ファッションで変化をつけるわけです。
オーダーしたいけど間に合わない・・・
やはりレンタルタキシードのメリットは、やはりすぐに借りられることではないでしょうか。
羽織ってサイズやデザインに満足できれば、レンタルのタキシードを選ぶことは手軽だと思います。またサイズ合わせに1度行くだけで、最終的に指定日に郵送してくれる店舗もあるようですし、あまり面倒なことは考えず、手軽に気軽に、という方はレンタルのメリットがあるかもしれません。
レンタルタキシードの場合、基本的にフロックコートタイプが多く、最近ではタキシードタイプも増えてきました。また貸す・借りるという性質もあり、基本的にはポリエステルなどの素材のタキシード・フロックコートが多く、光っているものが多いのも特徴です。
思い切り目立つ衣装を、と考えた場合には、オーダーよりもレンタルタキシードでピカピカの色や真っ白を借りるのが効率的かもしれません。
もちろんメリットがあるということはデメリットがあります。
レンタルタキシードを見に行って、なかなか良いものがなくて、というキッカケでイルフィーロにアポイントを取るお客様も少なくありません。
その時に良く耳にするのが、サイズ・ギラギラ感・価格バランスです。
サイズは上下セットなので、パンツだけ細く、というわけにもいかないこと、
また人気のサイズから無くなるため、貸衣装室の店員さんも勧めるサイズがないとなかなか苦労するようです。
またテカテカしたのが嫌だ、というお声が多いのですが、耐久性も考えてのポリエステル素材ならではの化学的な光沢は致し方ありません。
それで意外と高額で、というお声も少なくありません。
初期プランでは安くても、選択範囲を広げると急に値段が上がり、購入とあまり変わらないケースもあるようです。
オーダー屋が書くと自画自賛のようになってしまいますが、客観的に考えてもオーダータキシードのメリットは、やはり体にフィットしていること、豊富な選択肢やオリジナリティがあること、その後も着れることなどです。
海外で挙式、国内で1.5次会を行う場合や、別日程で写真撮影(前撮り)を行う場合、レンタルだと割高になる場合があるようです。
またレンタルでは汚れてしまうと発生するペナルティも、自分の服となると安心してビーチやガーデンを歩くこともでき、ワインを飲み過ぎても大丈夫、という心理的なメリットがあります。
男性の世界は細かいディテールをどこまで詰めるか、それが可能なのがオーダーの醍醐味です。
イタリアの生地で、ネイビーはやや明るめのトーンで。
肩パッドは薄く、スラッと見えるシルエットで、シャツもだらしないシャツではないオーダーで。
そして何よりも、当日のために誂えた、ということが、自信を持って一日を過ごせました、というお声に繋がっているのだと思います。また、女性の方にはお伝えしづらいのですが、完成した時に、「ようやく式が楽しみになった」という男性陣も少なくなく、結婚式のささやかな楽しみといえるかもしれません。
イルフィーロに限らず、どのお店も制作する時間がかかり、最低でも2回は来店する必要はあります。
また注文通り仕上がってくるかどうかは、採寸者・店舗・職人の力量・センスもありますから、信頼できる採寸者(フィッター)を見つけて、しっかりと要望を伝えないと、イメージと違った・・・となっては大変です。
これも形が最初からない、オーダーのデメリットかもしれません。
そして、一番重要なのは、着用日に仕上がっていない、などといったことになれば大変です。
イルフィーロでは最初にスケジュール組みをするのですが、中には着手しないと納期が出ないオーダー店もあると聞きます、何か不安を感じがしたら、せめて納期だけは事前にきちんと詰めておくことをオススメします。
スタイリングとシルエット構築を任せる上で、オーダー店選びは美容室選び、寿司屋選びに似て、店舗、美容師(寿司職人)次第で仕上がりが大きく違います。
大切なお式の服なので、信頼できそうな良いお店と巡り合いたいところです。
こうしたい!というスタイルがおぼろげにある場合もそうでない場合も、
実際にあまり考えずに、気が付いたら式場から高い衣装代の請求が・・・
そのようなことになる前に、
せっかく購入するのなら、やはり体にフィットして長く着られるオーダーメイドでのタキシード制作もおすすめです。
きっとレンタルとそれほど変わらないプランで、後々使えるスタイルや、理想的な自分らしいタキシードが完成します。
ただしオーダータキシードの制作には時間がかかります。
お店によっても違いますが、クイックで制作しているお店なら1カ月程度や、それを切るお店もあると思います。
イルフィーロでお仕立てさせていただく場合は最低でも45日程度かかる仕立てなので、ドレスを決める作業と並行して進めておけば安心ですので、検討している方はお早目にLINEでお問い合わせください。